私は伝統的な版技法で魅力とされる、緻密さや複数性などをあまり重要視していません。一方「版」の、ひとたび刷ればテクスチャーが一変し、一気に圧倒的な平面として立ち上がってくる力強さに魅力を感じています。そこで、版技法をペインティングに有効に活用できないかと考えるようになりました。凹版を主とし、コラグラフをさらにコラージュして再構成しながら、アクリル絵の具、色鉛筆など様々な画材による手彩色と組み合わせて制作しています。
私は何の意味もないからこそ、作品は特別な価値を生み出せるのではないかと考えています。しかし、日常生活においても制作過程においても、実際は無意味なものを探すことのほうが難しい。その点、版技法が持つ間接性や、版と描画面との鏡像関係を伴う制作プロセスには、自然な形で偶然性が含まれていて、自分の思考の範囲外、予想外のものを発見しながら制作を進めることができるので、版技法は、自分の作品観にとてもマッチしています。
内藤瑶子 yoko naito
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特別イベント ギタリスト 秋山徹次
2024年1月28日(日) 14:00 –
入場¥1,800
定員30名先着順
演奏後懇親会
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秋山徹次