わからないほうのことを考える。その広い世界の地形とそこに響く音のことを。
あなたが夢で見た上着の色は私にはわからない。
流れる時間を見ているように思える映画も、1秒間に24コマ静止画その隙間の黒を脳が埋める錯覚とか。
黒い隙間、みえていないほうを覗く。
「わからない」という知覚をみとめ、疑問符がかさなるような場所をあるいてみる。安易な安息はそこにはないけど。
浅井真理子 mariko asai
『隙間の地形』
「わからない」という知覚をみとめ、「どうしようもないこと」への興味や畏怖、他者の世界の広さを想起させる表現を試みています。
アートブック・プロジェクト「隙間の地形_川のはなし」(2021)ではそれを受け取った人がそれぞれがちがったの形に変容させた本の一部を転送するシステムのアートプロジェクトブックを制作。身体的な感覚を伴う作品を届けるとともに、作家の意図を超えて拡散する物語の根源的な形を体現し、不特定多数の人の意識に豊かな想像の世界を広げることを試みています。
https://www.marikoasai.com/four-stories-of-a-valley-2019
https://www.marikoasai.com/in-between-four-srtories-of-a-river
https://www.marikoasai.com/book-of-story-of-a-river-2021
『BLINDGARDEN』
洞に詰め物をして生を模された動物剥製標本の視線の先を見ようとする「ガラスノメノシセン」を中心に展開するシリーズ、カーボンドローイングシリーズ「隙間の地形」「つるつるのみちをとおってかなたをさわりに」
一瞥で認識できたことだけを描き続け、それが混ざり消えていく様を示すでは「見えるということ」の曖昧さと、その線の隙間(見えていない部分)に世界を見ようとしている。
https://www.marikoasai.com/blind-garden-2022
– artist statement
浅井は微妙で繊細な現象に焦点を当て、複雑に絡み合う感覚の深層を可視化することを制作の中で試みています。ドローイング、写真、立体、ビデオ、言葉や音など多くのメディアを交錯させ、「場」そのものを巻き込み、詩的でユーモラスな表現で、見るのもの位置感をずらしながら、人の視野と意識の外に流れるつかみ取れない世界に誘います。浅井は知らない土地でしばらく暮らす。そして帰ってくる。またどこかへ行く。未知の世界に向かいさまざまな価値観に身をゆだねながら他者であり続けることが大事だと思っている。「不明」のなかで、「みえない」をみるために。
最近の約10年は断続的に延約9ヶ月間、ノルウェー北極圏のトロムソエリアを中心にリサーチと滞在制作を重ね、特異な自然環境のなかで人々との交流し文化や言語に触れ、自身の認識の外側にある世界の中で暮らす経験から「隙間の地形」シリーズ「BLINDGARDEN」シリーズを生み出してきた。またキャリア初期から続けているカーボンドローイングのシリーズは思考の基盤になっているように思う。
今後も「潜む言葉_Hidden Langage」という主題を水先案内に同地と北海道でのリサーチと制作を予定している。
obi gallery は、1842年に 山梨県に約三年間の月日を掛け小尾兵右衛門が建設したという木造茅葺き入母屋造りの上座敷書院の間を移築した和建築と、稲山貴則建築設計事務所制作の独特の現代建築との2棟からなります。坂を上り細い階段を登った先に、唐突に居合わせたように、小さな中庭を挟んでぎゅうと2つがある。障子を通す夕方の自然光の美しさ。そもそもの書院のたたづまいと今とがないまぜになった落ち着かなさとを持ったまま崖が両側に切り立ってような薄い場所に行く。始めて訪れたとき、交互に行き来しながら「拡散する場所」と感じた。全ての壁が外に向かって開き、焦点となる鋭角は切り取られている。それが面白く今回のプランを考えるひとつの足掛かりになりました。この場所で三週間だけ現れるて消える、一過性の地形を作りたいと思います。
制作協力: スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団、公益財団法人 小笠原敏晶記念財団、Stiftelsen Lásságámmi、Galleri Fjærstein、さっぽろ天神山アートスタジオ/ ベンキュージャパン株式会社、株式会社堀内カラー、株式会社中央発條製作所
– exhibition
2000 If a monster runs after you, where do you hide in ? Galerie Christa Shuebbe / デユッセルドルフ・ドイツ | 旅籠町 町屋プロジェクト 佐藤宅 / 東京 | フィリップモリスアートアワード 最終審査展 恵比寿ガーデンプレイス / 東京
2001 If a monster runs after you, where do you hide in ? Gallery TAGA / 東京 | 偶然の振れ幅 川崎市民ミュージアム / 神奈川
2002 Charlottenborg Efterårsudstillingen 2001 Charlottenborg / コペンハーゲン・デンマーク
2003 朝食前の嘘 秋吉台国際芸術村 / 山口
2010 朝食前の嘘 switch point / 東京 | 第一回ハイファビエンナーレ ハイファ市内各所 / ハイファ・イスラエル | IWAKI ARTトリエンナーレ Art space Ericona,Alios cafe,天田愚案邸控えの間 / 福島
2011 eautiful town (plenty of empty) 東京国際フォーラム エキジビション・スペース / 東京 | 箱と人 Gallery PSYS,静岡県立美術館 / 静岡
2012 聞こえない声は、空に溶け拡散する 愛知県立芸術大学サテライトギャラリー 豊田市藤沢アートハウス,豊田市美術館 / 愛知 | Guimaraes noc noc Museum Alberto SampaioExtention,Dusfigura / ギマライシュ・ポルトガル | トロムソオープン Kysten Studio / トロムソ・ノルウェー
2013 光に添う 愛知県立芸術大学 / 愛知
2014 はしがつるつるのみちをとおってかなたをさわりに Small Projects / トロムソ・ノルウェー
2015 つるつるのみちをとおってかなたをさわりに gallery COEXIST TOKYO / 東京
2016 つるつるのみちをとおってかなたをさわりに CAI02 / 札幌 | BLIND GARDEN 問屋まちスタジオ / 金沢
2017 スクワチナ・スクワチナ Para Hotel(旧白井屋ホテル) / 群馬 | BLIND GARDEN Gallery LARA Tokyo / 東京
2018 BLIND GARDEN CAI02 / 札幌
2019 SUKIMA NO CHIKEI_inbetween Galleri Fjærstein / マンダーレン・ノルウェー | 内なる旅~物に宿された記憶 苫小牧美術博物館 / 苫小牧
2020 ANTI MUSIC LIVE QUESTION 万代橋多目的広場 / 新潟
2021 精神の<北>へ Perth Creative Exchenge / パース・スコットランド | 南町2850、絵本の蔵、二十間蔵 福島、西会津国際芸術村 / 福島 | An Lanntair / ルイス島・スコットランド
2022 BLIND GARDEN 愛知県立芸術大学サテライトギャラリーSA・KURA / 愛知
2024 隙間の地形と谷の話 obi gallery / 神奈川