photo:shiki
obi galleryは、山梨から移築された江戸時代後期の古民家の母屋と、2022年に新築された展示スペースという対称的なふたつの顔をもつギャラリーだ。来場者は庭を介し、母屋と新しいスペースを行き来する。ほんの数歩の移動ではあるけれど、過去と現在、いまここにいる「わたし」を意識する時間を得る。
畳敷きの母屋ではインスタレーション、新しいスペースでは平面作品をメインにプランを立てているが、さて、どのような接触と振動を起こすのだろうか。obi gallery 固有の振動、出来事を前に、わたしは、どのようなふるまいで「わたし」と「ここ」を探り出すのだろうか。
鵜飼美紀 MIki Ukai
1968 年東京都生まれ。1994 年東京芸術大学大学院美術研究科油画専攻修士課程修了。神奈川県在住。主な展覧会に、「ART TODAY”ひながた“-これは現代美術ではない」(セゾン現代美術館, 長野, 1996)、「美術の内がわ・外がわ」(板橋区立美術館, 1996)「鵜飼美紀 restless・restful」(静岡県立美術館, 2000)、「彼女たちが創る理由」(長野県信濃美術館, 2002)、「鵜飼美紀+辻和美 – 光のかけら –」(群馬県立館林美術館, 2005)、「temperature – 水の記憶 -」(ギャラリーヨコ, 鎌倉, 2010)、「池内晶子×鵜飼美紀 展」(gallery21yo-j, 東京, 2011)、「Reflection:返礼—榎倉康二へ」(gallery21yo-j, 東京, 2015)、渉るあいだに佇む-美術館があるということ(茅ヶ崎美術館,2023)など。